鮪(マグロ)

食と健康に関する辞典

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健康の基本は、食にあります。「食と健康に関する辞典」では、野菜を始めとして魚介類、肉類など様々な食材の栄養成分とその働きや生活習慣病などの病気との関わりをわかりやすく説明しています。また、栄養やサプリメントなどに関する知識をコンパクトに紹介しています。

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鮪(マグロ)



鮪の種類は、クロマグロ、ミナミマグロ、キハダ、メバチなどがありますが、一般に鮪というときはクロマグロを指し、別名ホンマグロとも呼ばれます。日本近海で獲れるマグロの中では、最も大型で最高級の食材として扱われます。背や腹の霜降りの部分が「トロ」として珍重され、特に一尾の数%しかない大トロは寿司種でも最高級品として扱われていますが、マグロは昭和初期までは近海で腐るほど獲れる魚で、トロはあらと一緒に捨てられるのが普通でした。

栄養分としては、良質なたんぱく質、脂質を豊富に含みます。たんぱく質は、筋肉や内臓、血液、皮膚などの体の主要な部分を作ります。不足すると、体力、スタミナがなく疲れやすくなったり、脳のはたらきが鈍り、記憶力、思考力が減退します。
赤身や血合いには、タウリン、鉄、カリウムが多く含まれます。タウリンは、血圧を正常に保ったり、心臓の働きや肝臓の解毒作用を強化します。鉄は、赤血球のヘモグロビンに含まれ酸素と結びついて、全身に酸素を運ぶ役割をになっています。カリウムは、ナトリウムを排泄し高血圧を予防します。
トロには、IPA(イコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)、ビタミンD、Eが多く含まれます。IPAとDHAは、血栓ができるのを防ぐほか、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やし、動脈硬化や心筋梗塞などを予防します。また、DHAは、脳や神経組織の発育促進や機能を高める働きがあり、記憶力や学習能力の向上に役立ちます。ビタミンDは、カルシウムやリンの吸収を高め、骨や歯への沈着を促します。ビタミンEは、活性酸素を除去し、老化やがんの予防に役立ちます。


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